前回は感覚過敏の世界について投稿しましたが、何となく想像がついたでしょうか。
一方で、過敏さよりは馴染みがないかもしれませんが「感覚鈍麻」の世界で生きている人もいます。今回は感覚鈍麻の人が感じている世界についても考えてみます。発達障がいにあたる、『自閉スペクトラム症』の方は、感覚の過敏さ、鈍さのどちらも持ち合わせていることが大半であるとも言われているようです。
目次
- 感覚鈍麻とは
- 感覚鈍麻の種類
- まとめ
感覚鈍麻とは
特定の刺激に対する受け取りが鈍くなること。
感覚鈍麻の種類
記載しているものは一部になりますが、どんな感覚の鈍麻があるのか、生活にどんな影響があるのかまとめてみました。
【触覚の鈍麻】
触れた感覚が薄く感じる。触り心地などにより物を識別することが難しくなる。例えばポケットに入っているお金を、触り心地で何円玉か当てるということが難しい。
【痛覚、温度覚の鈍麻】
熱さや痛みが感じにくい。暑い日でも長袖、寒い日でも半袖を着る様子が見られたり、痛みに強く怪我に気づきにくいことがある。
【固有受容感覚の鈍麻】
自分の体の動きを感じる感覚(筋肉を使う時、関節を曲げ伸ばしする時に感じる感覚)が薄い。力加減などの運動の調整、ボディイメージ(注)の形成が上手くいかなかったり、視覚的情報を頼らなくてもできる動作(楽譜を見ながらピアノを弾く、ブラインドタッチ、首元のボタンかけなど)、無意識的に姿勢を保つこと、模倣動作が苦手であることが多い。子どもの中には人に力強くギュッと抱き付いたり、動き回ったりすることで、感覚を満たそうとする様子が見られることがある。
(注)ボディーイメージとは自分の体がどれくらいの大きさで、どういう動きができるのかなど、自分の体についてのイメージのこと。ボディイメージが発達すると目で見なくても自分の体がイメージ通りに上手く動かすことができる。詳細はまた今度記載。
【前庭感覚の鈍麻】
体の傾きや重力を感じにくい状態。その変化も感じづらく、バランスをとることが難しい。また目の動きが鈍くなり、目でボールを追えない、音読や板書が難しい場合がある。前庭感覚は覚醒コントロールにも関連しているため、鈍麻さがあるとぼーっとしている様子が見られることもある。さらに空間における自分の位置を把握することも難しくなることがある。刺激をたくさん入れることで鈍麻さを満たそうとする様子が見られることがあり、高いところに登ることを好んだり、滑り台やブランコを好んだりする。授業中立ち歩く、グラグラ椅子を揺らすタイプにも、この前庭感覚の鈍麻さがある場合がある。
発達の凸凹を抱えている子の中には、固有受容感覚や前庭感覚の鈍さを抱えていることが多い印象です。でも、私自身も小さいころは前庭感覚の鈍麻があったと思います。例えばブランコやジェットコースターというような高さのある、加速度を感じるような遊びが大好きだったので、今思えば薄い感覚を求めていたんだろうと思います。小さいころ、どんな遊びが好きだったかということからも、それぞれが持つ感覚の特徴がわかりますね。
micocoのまとめ
①感覚鈍麻とは特定の刺激が感じにくいこと。
②感覚鈍麻が日常生活に影響していることもある。(不器用であったり、立ち歩いたり、姿勢が悪くやる気がないと勘違いされることも!)
③遊びや普段の行動により多くの刺激を入れようとしていることがある。
④感覚鈍麻は個性の1つ。行動の背景を理解できる視点になる!
今日の一言
人の行動の背景に、感覚の凸凹あり。
ではまた。
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